1. フリーランス・個人事業主必見!マイナンバーを提出・収集するときの取り扱いの注意点とは

ケーススタディ【vol.23】

2016.04.15

フリーランス・個人事業主必見!マイナンバーを提出・収集するときの取り扱いの注意点とは

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2016年1月からはじまったマイナンバー制度。今回は、一般の会社員と比べ業務上マイナンバーを利用する機会が多くなりがちな、フリーランス・個人事業主の方に向けたマイナンバーセキュリティについてお届けします。

 

【提供する側】マイナンバーの利用目的を確認しよう

正社員として企業に就職している、または、パートやアルバイトとして働いている場合は、勤務先からマイナンバーの提示が求められるかと思います。

一方、フリーランスや個人事業主の場合、あなたの得る報酬が「源泉徴収の対象」であれば、報酬の支払元からマイナンバーの提出と身元確認が求められます。企業が税務署に提出する書類や支払調書にマイナンバーを記載する必要があるためです。

源泉徴収の対象項目については、所得税法に定められており、国税庁のWebサイトで確認ができます。

<報酬・料金等の支払を受ける者が個人の場合の源泉徴収の対象となる範囲>
・原稿料や講演料など
・弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬、料金
・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
・プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬、料金
・芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬、料金その他、詳細はこちらから

マイナンバーを求める側は「利用の目的」を伝える義務があるため、提出側のあなたは「支払調書の作成、源泉徴収のために必要」など、マイナンバーの利用目的を確認するようにしてください。

「後々必要になるかもしれないので、とりあえずあなたのマイナンバーを……」ということはありません。利用目的を確認することで、不用な提出を防ぐことができます。

 

【提供する側】不用意にマイナンバーを提示しない

フリーランスや個人事業主であるあなたが自分自身のマイナンバーを守るために、番号を提出する際は、以下の項目を先方に確認するようにしてください。

先方のマイナンバー管理・運用ルールを事前に把握することで、自分のマイナンバーを守ることにつながります。

 

マイナンバーの「管理担当者」は誰か

マイナンバーを提出時は、複数人を介すのではなく、マイナンバーの担当者に直接渡すようにしましょう。

マイナンバーと身元証明書を提出する際、先方の営業マンなどが「とりあえず、私が預かっておきます」と言ってくる場合は要注意です。遠方の企業と取引している場合、メールの添付画像で提示する場合もありますが、その際もマイナンバー担当者と直接やり取りするようにしてください。もちろん、他の社員に見られてしまう可能性があるファックスの使用はやめておきましょう。

 

マイナンバーを「安全に保管」するため、どのような対策をとっているか

提出した書類やデータが、どのように管理されているのかどうかも確認するのが理想です。マイナンバー関連の書類は、鍵付きの棚や引き出しに保管されているか。データを保管しているパソコンのセキュリティは万全か、などが挙げられます。

 

【提供してもらう側】管理・運用ルールをもうける

今度は、あなた自身がマイナンバーを収集する場合を考えてみましょう。人を雇用したり、外注したりする際には税務上、相手のマイナンバーが必要になることがあります。

その場合は、これまでの逆。先方にマイナンバーの利用目的を告げ、正しく管理する旨を伝えましょう。運用ルールを定めて、文章にまとめておくとよいかもしれません。

加えて、報酬の支払いに関する事務処理が終わり、所管法令による保存期間(源泉徴収票の場合は7年間)を経過すると、マイナンバーはできるだけ速やかに廃棄・削除しなければいけません。破棄方法は、復元不可能な手段でおこなう必要があります。紙の場合はシュレッダーや焼却、データの場合はデータ消去専用のソフトの使用や、HDDやSSDの物理的破壊になります。不要時の破棄もしっかりおこないましょう。

安全管理についての具体的な方法は、下記の項目でご案内します。

 

フリーランスにおけるマイナンバーのセキュリティとは

提出する側、受け取る側のどちらにも言えるのは徹底した安全管理が必要ということです。

自分自身のマイナンバーが他人に知られると、なりすましなどの被害に遭う恐れがあります。また、預かったマイナンバーを漏えいさせると、刑事処罰を受けるだけでなく、社会的な信用も落としてしまいます。

安全管理の方法はさまざまですが、具体的な一例をお伝えします。

 

自分自身のマイナンバーを守るために

通知カードや個人番号カードは日常的に使うものではないので、基本的には自宅や事務所で保管し、必要なときだけ持ち出すようにしましょう。

●通知カードや個人番号カードは持ち歩かない
●手帳に個人番号を控えない
●パソコンやスマートフォンに個人番号を控えない

 

預かったマイナンバーを守るために

紙とデータ、両方で管理することが多いと思いますが、それぞれで対策をとりましょう。

●紙の書類を保管するため、鍵付きの棚や引き出しを用意する
●データを管理するパソコンを決めておく
●盗難や置き忘れを防止するため、日常的に持ち歩いているノートパソコン以外で管理する
●パソコンには、パスワードロックを掛ける
●OSのセキュリティアップデートを怠らない
●パソコンにウイルス対策ソフトをインストールし、アップデートを怠らない。
●外付けハードディスクなどにバックアップを取る際、データの暗号化をおこなう

 

さいごに

複数の企業から報酬を得る機会が多いフリーランスは、会社員と比べてマイナンバー提出の機会が多くなりがちです。

今回ご紹介したことを頭に入れ、むやみにマイナンバーを提出しないよう気をつけましょう。もちろん、他人の番号を預かる際も厳重に扱い、トラブルに遭わないようにしたいですね。

 

k_kitano北野 啓太郎(きたの・けいたろう) フリーライター
1980年代のパソコン黎明期よりコンピュータを愛し、90年代後半のインターネット普及とともにその想いは加速。音楽業界でウェブマガジン編集長を経歴し、現在フリーランスとしてライター、映像編集など多業界で活動中。コンピュータのウィルス感染に加え、実生活では空き巣にやられた経験も持つ。NO SECURITY, NO LIFE.
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