1. あなたのmixiは大丈夫?放置しているSNSに潜む黒歴史漏えいリスクとは?

ケーススタディ【vol.04】

2015.03.24

あなたのmixiは大丈夫?放置しているSNSに潜む黒歴史漏えいリスクとは?

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過去のSNSアカウントに黒歴史あり

職場で、話した覚えのない失敗談を上司にイジられて不審に感じていたら、学生時代のSNSアカウントが「職場バレ」していたと知らされて、目の前が真っ暗になったという話を聞いたことがあります。

現在でこそ「バカッター事件」が他山の石となったり、同僚や取引先ともSNSで繋がる機会が増えましたが、過去に利用してきたSNSには若気の至りで個人情報や失恋ポエムなどの黒歴史を紡いできたという人々も多いのではないでしょうか?

SNSを利用しなくなったとしても当時のアカウントには日記や写真が残り続けており、それらの個人情報や黒歴史が何かの機会で発掘されてしまうこともありえるのです。今回は、放置しているSNSに潜む情報漏えいリスクについてご紹介します。

 

利用するSNSが移り変わってもアカウントは残り続ける

日本発のSNSである mixi は5年ほど前まで、大学生や新社会人で「mixi を使ってない人はいない」と言いたくなるほどの普及をしていました。仕事や恋愛についてのポエムを書いたり、「コメント」や「足あと」に一喜一憂したり、コミュニティメンバー同士のオフ会を開催したりと、リアルな生活と絡み合って活用されてきましたが、時の流れと共に最終ログイン時間に「3日以上」と表示されるマイミクが増えていきました。

マクロミルが実施した調査によると、20-21歳の mixi 利用率は18%程とのことで、その他SNSに押されてシェアが下がってきていることが伺えます。

マクロミルが実施した「2014年 新成人に関する調査」によれば、今年成人式を迎える新成人が現在使っているSNSは「LINE」(81.6%)が最多で、2位「Twitter」(67.0%)、3位「Facebook」(48.8%)、4位「mixi」(18.0%)だった。
(参照元:ITmedia ニュース

SNSの本質が「他者とのコミュニケーション」である以上、周りの変化に合わせて利用されるSNSが移り変わっていくのは時代の必然なのかもしれませんが、放置されたアカウントはインターネット上に残り続けます。

 

メールアドレスからSNSアカウントがバレてしまう?

現在の mixi ではメールアドレスや連携している Twitter アカウントなどから mixi のアカウントを検索することができます。ブログなどの匿名活動をしていても、連絡用のメールアドレスなどから過去に利用していた mixi アカウントが特定され、所属会社や住所、顔写真などの個人情報を暴かれてしまうリスクがあります。


家族や同僚との連絡に利用していたメールアドレスからも mixi アカウントが特定される可能性があるため、「出会い」を匂わすコミュニティに属していた過去や、会社への愚痴を家族や同僚に知られたことから思わぬトラブルに発展するリスクも考えられます。

スクリーンショット 2015-02-26 15.38.38
以上のように、放置されたSNSアカウントは匿名空間からも実名空間からも特定される可能性があり、「それぞれの空間が持つ別の顔」を知られることからトラブルに発展するリスクが潜んでいます。このような問題は、もちろん Facebook や Twitter などでも起こりえることです。

 

他人のSNSアカウントを積極的に特定する「特定厨」の存在

他人のSNSアカウントなどの個人情報を積極的に特定して公開する「特定厨」と呼ばれる人々もいます。過去の事件でも、放置されていたSNSアカウントの特定が決め手となって、所属会社へのいたずら電話などに発展した事例もあります。中国でも「人肉検索」として問題視されており、法規制まで検討されました。

2008年8月25日、中国の “全国人民代表大会” 常務委員会の分科会が刑法修正案の草案を審議していた時に、委員の1人である朱志剛は「刑法に“人肉捜索”(=「人肉検索」)に関する基準を新設して規制を行い、刑事責任を問えるようにすべきではないか」と提案した。(参照元:日経ビジネスオンライン

「特定厨」の動機は「問題行動への制裁」である場合がほとんどなのですが、特に問題行動を起こしていなくても、面白半分やストーキングのために特定を試みる人々もいます。

 

SNSから個人情報や黒歴史を漏洩しないためのチェックリスト

過去のSNSアカウントから個人情報や黒歴史を漏洩しないために、以下の観点からチェックすることをオススメします。

● もう利用することのないSNSアカウントを持ち続けていないか?
● SNS内の情報公開設定は適切か?
● 写真の公開範囲は適切か?
● SNSの検索プライバシー設定は適切か?
● 他のSNSとの連携は適切か?
● 本名や住所や会社などを公開していないか?
● 友達が自分の情報や写真を公開していないか?

なお、 mixi では以下の手順でメールアドレスから検索されないようにする設定が可能です。

過去のmixiアカウントを検索・発見されないための設定方法

「設定変更」画面で「友人のメールアドレスから探す」をクリック

スクリーンショット 2015-02-26 15.38.56
「友人のメールアドレスから探す」を「許可しない」に設定

スクリーンショット 2015-02-26 15.39.09
また、「mixi のアカウントを削除したいけど、日記やコミュニティへの書き込みが消えてしまうのは嫌だ」というユーザーに向けて、mixi のデータをローカルに保存する『撤退mixi』という非公式アプリも公開されているので利用してみるのも良いかもしれません。

 

おわりに

いかがでしたか? 過去のSNSアカウントを放置していると、あなたの個人情報や黒歴史が漏洩してしまうリスクがあります。

時が経つにつれて自分の考え方や周りの状況が変わっていくのに対して、放置されたSNSアカウントの時計は止まったまま。そこに残された内容は大切な思い出だからこそ、今の自分の足を引っ張らないように配慮する必要もあるのだと思います。

ちなみに、 mixi を運営している株式会社ミクシィでは、現在スマートフォン向けゲームアプリの『モンスターストライク』が2000万DLという大ヒットを飛ばしており、大幅な増収増益が見込まれています。時代に合わせた変化をしていくべきなのは人も企業も同じなのかもしれませんね。

k_ikeda池田 仮名(いけだ・かな)ITエンジニア/ブロガー
システムインテグレーター勤務の傍ら、個人ブログ「太陽がまぶしかったから」を運営。情報システムの発展によって変化していく人の心や共同体のありかたに興味。音声チャットを用いて題材書籍を掘り下げる「Skype読書会」を主宰。共著書に「レールの外ってこんな景色」(WOODY)。仕事も恋もFA宣言中。
Twitter:bulldra
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