1. フリーランスは要注意!名刺やメール署名の個人情報の書き方とは

コラム【vol.26】

2015.08.28

フリーランスは要注意!名刺やメール署名の個人情報の書き方とは

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フリーランス(個人事業主)として独立すると、業種問わず必要になるのが「名刺」です。事務所や店舗を構えて事業をはじめる場合は問題ないのですが、自宅兼事務所とする場合は、名刺に住所などの「個人情報」をどこまで入れるべきか悩む方も多いのではないでしょうか?

名刺は自分自身のプロモーションツール。とはいえ、むやみに個人情報をばらまくのは怖いものです。そこで今回は、フリーランスが名刺や署名を作るときに、個人情報をどこまで入れるべきかを考えてみます。

【目次】
名刺・メールの署名に記載する個人情報といえば
律儀にすべてさらす必要はない!
名刺・メールの署名は2種類を用意する
  ・最小限の情報にとどめたタイプ(例1)
  ・最小限の情報にとどめたタイプ(例2)
  ・筆者の場合
「情報を絞ること」のデメリットと注意点
さいごに ―名刺リニューアルのススメ

 

名刺・メールの署名に記載する個人情報といえば

まずは、名刺やメールの署名に入れる項目を書き出してみましょう。これまで交換した名刺を参考にしても良いでしょう。

【名刺に記載する項目(例)】
・会社名
・会社ロゴ
・部署・役職(もしくは職種)
・氏名
・顔写真
・住所
・電話番号(固定電話)
・電話番号(携帯電話)
・メールアドレス
・ウェブサイトURL、QRコード
・SNSアカウント

 

上記は一例です。あなたの職種などによって「営業時間」「定休日」「キャッチフレーズ」「有する資格(スキル)」「過去の実績」「料金表」など、付け足し・削除をしながらリストアップしてみてください。

 

律儀にすべてさらす必要はない!

会社員からフリーランスへ転身したばかりの方は、住所が書かれていない名刺には不安を感じるかもしれません。しかし、名刺を差し出すたびに、あらゆる個人情報をさらす必要はないのです。

「女性でひとり暮らし」「自分以外の家族も一緒に暮らしている」

特にそんな場合は、むしろ住所や住所が特定できる固定電話番号を不用意に知らせてはいけません。グーグルマップのストリートビューで自宅を確認されたり、最悪の場合、ストーキングや留守を狙った空き巣、または妬みからの嫌がらせといった被害に遭う恐れがあるからです。

住所などの個人情報を伝えるのは、郵便物のやりとりをするなど必要に迫られてからで十分でしょう。

 

名刺・メールの署名は2種類を用意する

では、名刺に記載する情報はどうすればよいのでしょうか?

結論から言えば、名刺とメールの署名(フッター)は、住所入りの「必要項目をすべて記載したタイプ」と住所なしの「最小限の情報にとどめたタイプ」の2種類を用意し、使い分けるのがオススメです。

「必要項目をすべて記載するタイプ」の名刺や署名は、すでに取り引きがあり信頼関係が結ばれている方などに対して、郵送用の住所などをお知らせする場合に活用します。伝える必要があって伝えるものなので、これはあなたの職業に合わせて、必要な項目を盛り込んでください。

一方、後者「最小限の情報にとどめたタイプ」は、一度きりになるかもしれない相手や初対面の方に対して活用します。
以下は、このタイプで名刺に記載する情報の一例です。名刺を想定して説明していますが、メールの署名にも応用可能です。

最小限の情報にとどめたタイプ(例1)

【こんな方におすすめ】
フリーライター/プログラマー/WEBデザイナー/カメラマン など

・会社名
・部署・役職(もしくは職種)
・氏名
・電話番号(携帯電話)
・活動拠点(東京都◯◯区、◯◯県◯◯市など、おおまかな住所)
・メールアドレス
・ウェブサイトURL
・SNSアカウント

住所を掲載しないとはいえ、都道府県、もしくは市区町村程度の活動拠点は明記した方が良いでしょう。あなたが有名な方で、どこに住んでいようと仕事の依頼が来る場合などは不要ですが、仕事を依頼する側の立場に立つと、どこに住んでいるのかがわかる方が依頼しやすくなります。
また、あなたへの連絡方法として、メールアドレス・携帯電話番号・SNSアカウントのいずれかひとつは明記しておくと良いでしょう。

最小限の情報にとどめたタイプ(例2)

【こんな方におすすめ】
ミュージシャン/作家/フリーアナウンサー/スポーツ選手 など

・氏名
・部署・役職(もしくは職種)
・メールアドレス
・ウェブサイトURL
・SNSアカウント
・プロフィール

ファンがつくような職種の方は、特にストーカー被害にも遭いやすいので情報は絞った方が良いでしょう。マネージャーがいる場合は、あなたへの連絡手段を掲載する必要はありませんが、いない場合はメインで使うものと別のメールアドレスを用意しておくと良いでしょう。
また、ウェブサイト内に「お問い合わせページ」をつくるという方法もあります。

筆者の場合

あくまでご参考までですが、私の場合は以下の2パターンを用意しています。
違いは、「住所」「携帯電話番号」の有無です。

【すべて記載タイプ(筆者の場合)】
・職種
・氏名
・顔写真
・住所
・携帯電話番号
・メールアドレス
・ウェブサイトURL
・SNSアカウント
・プロフィール(名刺裏面)

【情報最小限タイプ(筆者の場合)】
・職種
・氏名
・顔写真
・メールアドレス
・ウェブサイトURL
・SNSアカウント
・プロフィール(名刺裏面)

メールアドレスの掲載も用心したい方は、「お問い合わせはSNSのメッセンジャーにて」などと、何かしらの連絡手段は明記しておくと良いでしょう。

 

「情報を絞ること」のデメリットと注意点

あまりに名刺が味気ないと、ショップカードのような印象を相手に与えてしまうことがあります。

たとえば、「カメラマン 山本太郎 http://xxxx.jp/」のようなシンプルな名刺の場合、見ようによってはカッコイイかもしれませんが、受け取る側の気持ちとしては「こちらは住所などすべてを伝えているのに、なんだか上から目線だな」というマイナスの印象を与えかねません。

情報を絞った名刺を差し出す際は、「自宅兼事務所ですので住所は書いてありませんが……」などと一言添えるだけで印象は大きく変わるでしょう。第一印象でネガティブにとらえられないよう、気をつけましょう。

 

さいごに ―名刺リニューアルのススメ

すでにフリーランスとして活動している方も、これを機に名刺をリニューアルしてみてはいかがでしょうか?

情報漏えいの危険を回避するという目的もありますが、冒頭で書いたとおり、名刺はあなたのプロモーションツールです。会社員時代とは違い、自分の想いを込めた自由なデザインができるので、ぜひかっこいい名刺を作ってみたいところ。

独立した当初につくった名刺をなんとなく使い続けている方も多いでしょう。今は、両面フルカラーの名刺が100枚で1,000円程度のオンラインショップもありますので、気軽にリニューアルしてみても良いかと思います。

また、名刺のデザインやアイデアを膨らませたい方には、東京都墨田区にある小さな博物館「名刺と紙製品の博物館 〜SAKURA TERRCAE〜」がオススメです。名刺の歴史を学びながら、名刺へのアイデアが刺激されるかも知れませんよ!

k_kitano北野 啓太郎(きたの・けいたろう) フリーライター
1980年代のパソコン黎明期よりコンピュータを愛し、90年代後半のインターネット普及とともにその想いは加速。音楽業界でウェブマガジン編集長を経歴し、現在フリーランスとしてライター、映像編集など多業界で活動中。コンピュータのウィルス感染に加え、実生活では空き巣にやられた経験も持つ。NO SECURITY, NO LIFE.
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