1. 【革新者サミット 2015夏 レポート】Windows 10リリース!マイクロソフトが考えるこれからのセキュリティに注目!!

NO MORE 情報漏えいPRJ活動日誌【vol.05】

2015.08.20

【革新者サミット 2015夏 レポート】Windows 10リリース!マイクロソフトが考えるこれからのセキュリティに注目!!

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革新者サミット2015
2015年7月7日、コンラッド東京で開催された革新者サミット。エムオーテックス株式会社が主催する本イベントは、IT資産管理・情報漏えい対策ツールとして10年連続トップシェアを誇る主力製品LanScope Catの最新バージョン発表の場として、昨年より全国で開催されている。

2回目となる今年は、特別講演に日本マイクロソフト株式会社のエバンジェリストであり業務執行役員でもある西脇 資哲氏が登壇。この夏、大きな注目を集めているWindows 10を携えてのプレゼンテーションに、私たちは目を奪われた。

変革をむかえるマイクロソフト

サティア ナデラ氏
2014年2月。サティア・ナデラ氏が、ビル・ゲイツ氏、スティーブ・バルマー氏に続き3人目のマイクロソフトCEOに就任した。それから1年半、ナデラ氏はマイクロソフトに様々な変革をもたらしてきた。9インチ未満のWindows OSのライセンス無償化やOracle、IBM、Salesforce、Dropboxとの提携。そしてこれまでライバル視していたiPad、Android版Officeの発表などがあげられる。

デバイスが多様化しても生産性を維持
「会社にはデスクトップPC、外出先ではスマートフォン、タブレット。今や生産的な仕事につく52%が3台以上のデバイスを使っている時代です。ユーザーが利用するあらゆるデバイスにマイクロソフトのプロダクトを提供したい、それがナデラの考え方でした。」(西脇氏)

そんなナデラ氏が次に掲げた戦略の一つが「クラウド」。2010年1月に開始されたクラウドサービス「Microsoft Azure」は爆発的な躍進を遂げており、Azure上の仮装マシンは200万、WEBサイトは30万、SQLデータベース140万、Active Directoryユーザーは4億人以上という成長ぶりだ。

そして、2015年7月29日に正式リリースを迎えた「Windows 10」にも、クラウドを強く意識した機能が搭載されている。

「クラウドでOfficeをやろうという文化が広まりつつあり、Office365が提供するサービスがこれを実現します。Windows 10では、新しいブラウザ”Microsoft Edge”が提供され、クラウドにあげたドキュメントをここで簡単に編集することができる。もちろんタッチ操作も可能です。デバイスごとにファイルを保存し管理するのは、もうナンセンスです。」(西脇氏)

西脇氏はWindows 10のデモンストレーションを交えながらそう強調した。電子メールやスケジュールはもちろん、エクセルやパワーポイント等の資料もすべてがクラウド上に保存され、いつでもどこでもどんなデバイスからでもアクセスすることができる。これからのビジネスシーンはクラウドによってさらに進化する。

Windows 10のセキュリティ

一方、気になるのがセキュリティだ。「Windows 10」ではこれまでのパスワードによる1要素認証からの脱却を発表している。PC、タブレット、スマートフォンなどのWindows 10デバイスを、信頼済みデバイスとして登録し、認証に使用する機能だ。ユーザーは登録したデバイスと、PINや生体認証を組み合わせて2要素認証を行いサインインできるようになる。つまり、デバイス本体と紐付けられたPINの両方がなければ、不正なサインインを行うことはできない。

西脇氏はさらにOffice365における認証をデモンストレーションを交えて紹介した。Office365では通常のIDとパスワードの認証に加え、「認証用電話」「会社電話」「モバイルアプリケーション」による認証を行う「多要素認証」を利用することができる。

西脇氏が実際にPC端末からサインインを試みると、同氏が認証用に登録していたiPhoneがコールされた。そのiPhoneで応答することで、本人確認がなされるという仕組みだ。いつでもどこでも、どのデバイスからでもアクセスができるというクラウドの強みを、安心して活用するために欠かせないセキュリティ対策だろう。

Windows 10が目指す世界

Microsoft Surface Hub
Windows 10では、デバイスの選択肢がますます多様化する。マイクロ基盤から80インチを超える大型スクリーンまで対応。新たに「Microsoft Surface Hub」の提供も予定されている。これは、チームでのやり取りやコラボレーションを実現するために設計された大画面ディスプレイで、内蔵のカメラ、センサー、マイク、ペンやタッチに最適化。ホワイトボードやリモート会議として、また複数人でのコンテンツの共有など、ビジネスシーンでの様々な活用が期待される。

「Microsoft Surface Hub」のプロモーションムービーの中では、壁面に掛けられた「Microsoft Surface Hub」を囲み、様々なコンテンツや離れた場所にいるメンバーを呼び出しながら活発にディスカッションをするチームの様子が映し出された。Windows 10はビジネスにおけるコミュニケーションにも革新を起こすのかもしれない。

IoT×クラウドが実現する可能性

Windows IoT
また、これからさらにトレンドが加速するであろうIoTデバイスにも注目が集まる。西脇氏は小型基盤である”Raspberry PI 2”を取り出し私たちに見せてくれた。マイクロソフトは、”Raspberry PI 2”にOSとして”Windows 10 IoT Core”を提供し、Windows 10を実装させることができるという。手のひらよりも遥かに小さなこの基盤でWindowsを動かすことができるというから驚きだ。

”Raspberry Pl 2”ではセンサーを取り付けることで様々なデータを収集することができる。たとえばそれらのデータをクラウド上で管理すれば、ビッグデータ分析や機械学習が可能となる。いまやすべてのものがインターネットにつながり、ありとあらゆる情報を生かすことができる時代だ。

最後に西脇氏はエムオーテックスのIT資産管理・情報漏えい対策分野とクラウド、IoTを組み合わせることによる可能性について触れた。

「あるユーザーが一定時間に、会社ではない場所で大量のデータをダウンロードした。または、カメラアプリのアクセスログが残っているのに、クラウド上に画像がまったく保存されていない。このような通常とは異なる動きを機械学習によって検出し、情報漏えいにつながる危険要素を早期に発見できれば、情報漏えい事故を未然に防ぐことに役立てられるでしょう。」(西脇氏)

設定された閾値を超えることによるアラートを出すのではなく、過去の情報を機械学習することにより、クラウドのエンジンがデータを分析できるようになるという。

クラウドはもっと人の身近なものになる、と西脇氏は力強く未来を語った。プレゼンテーションの最中、次々と繰り広げられた、まるで映画を見ているかのように創造的な世界。それらはもはや空想の世界ではないのだと、私たちは体感した。マイクロソフトが見据えている未来のビジネスシーンが、すぐそこまで来ている。

fujitaフジタNO MORE 情報漏えいプロジェクト 編集部員
セキュリティソフトメーカー勤務歴2年。
本サイトの管理人。「NO MORE 情報漏えい」で読者と一緒にセキュリティを勉強中。簡単になんでも真に受けるため、だまされそうになった経験多数あり。
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