【サイト公開1周年記念】情報漏えいの危機管理意識を「他人ごと」から「自分ごと」へ
こんにちは。NO MORE 情報漏えい編集部です。
「情報漏えい」に対する知識を深め、「自分ごと化」するプロジェクトの一環として、「NO MORE 情報漏えい」というサイトを公開してから10月27日で1年。
エムオーテックス株式会社代表取締役社長の河之口達也とサイト内で啓発活動をおこなっている徳丸浩先生のふたりが、この1年間の活動の歩みとそれに対する印象、そして展望を語りました。
「情報漏えい」に対する認識が、他人ごとから自分ごとに変化してきている
—編集部:サイト公開から1年の歩み振り返って、率直にどう感じていますか?
河之口:
周囲の企業さまなどから反応をいただけたことに驚きを感じました。一番驚いたのは我々のパートナーの方々との懇親会などの席や外部のイベント会場で、「情報漏えいのサイトを見て、勉強しています」という声を聞く機会があったことです。他にも私が所属する新経済連盟という団体の会合のなかでも「NO MORE 情報漏えい」に対するいくつかの反応をいただきました。
もちろんサイトの認知度を上げていくための努力はまだまだ必要だとは思っていますが、少なくとも私の周辺から反応があったことは喜ばしいことだと感じています。
—編集部:周囲から反応が起きた理由とは?
河之口:
マイナンバー問題や、年金問題、それから企業の情報漏えいの事例など、世間で話題になっていることがサイトの認知向上に影響している部分は少なからずあるように思います。「しっかりした対策を打たないと、自分の会社の情報も危険にさらされてしまうかもしれない」という風に思った人が増えたのかもしれません。会社に勤める人たちが今まで「他人ごと」のように考えていた情報漏えいの問題が、「自分ごと化」されたフェーズに移ってきているように思えます。
情報漏えいの問題は深刻化。認知を広めつつ、質の高いサイトづくりを意識する
—編集部:危機意識が高まっているという、河之口の話を受けて、徳丸先生はどのようにお考えになりますか?
徳丸先生:
社長がおっしゃるように、危機意識が高まっている、というのは正しいとは思います。しかし一方でまだまだ情報漏えいに対する認識に格差があるとも思っていますね。つまり自分ごとのように考えている人もたしかに増えていますが、まだまだ他人ごとにとらえている人も多くいます。他人ごとと感じている人から情報は漏えいされていくものなので……。
先日、こちらのサイトで公開した記事で、“マイナンバーの「情報漏えい」が「詐欺」に発展していく” ということを指摘しました。しかし、情報が漏えいする前から詐欺の問題は起きています。つまり、状況が私の予見より先をいってしまっている。そういう状況を整理してお伝えしないと、いつまでたっても問題は起き続けるな、という危機感はかなり持っていますね。
—編集部:情報漏えいのリスクを回避するため、これからサイトをどのようなものにしていきたいですか?
河之口:
語弊がある言い方かもしれませんが、我々の製品の特徴として世の中の情報漏えいリスクが高まれば高まるほど製品が受けるという要素を持っています。ですからそのリスクを啓発する活動も、単に危機感を煽っていると受け止められかねないように留意していきたいなとは思っています。純粋に広く世の中の情報漏えいのリスクを認識してもらうためになるサイトにしていきたいですね。
この1年は「自分ごと化」してもらうという命題のもと、コンテンツもテクニカルな内容を抜きにして初心者向けにわかりやすい記事を書く、という土台ができてきたように思えます。これからの1年は、もう少しレベルを上げて、新入社員が読むのにちょうどいいコンテンツであり、やや専門性の高い記事を提供していくことも施策のひとつとして考えています。
徳丸先生:
そうですね。単純にサイト内の記事のレベルを上げるだけではあらゆる読者にとって「自分ごと化」してもらうというのが難しいでしょうから、コンテンツを10代向け、新入社員向け、情報執務室向け、などとレイヤーを分けていくといいかもしれません。
中小企業のセキュリティ担当者は専任でなく兼任で任されている方もいるので、そういう方向けの真面目な解説ものもつくっていくのもひとつでしょう。例外的に、上野に女性モデルとも撮影に行ったりもしましたが(笑)
一過性の話題になる記事だけではなく、きちんと読者に必要な情報を提供できるように編集部もがんばります! 引き続き、よろしくお願いいたします。
一同:よろしくお願いいたします。