「KEY PERSON」エムオーテックス河之口達也/週刊BCN3月2日号 – MOTEX Inc.

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    2015年03月03日

「KEY PERSON」エムオーテックス河之口達也/週刊BCN3月2日号


週刊BCN3月2日号の『KEY PERSON』に弊社 代表取締役社長の河之口達也の記事が掲載されました。以下、掲載内容です。

Lanscope Cat」のヒットで、日本屈指のソフトメーカーになったエムオーテックス(MOTEX)は、創業以来、独立系の立場を守ってきたが、2012年11月に突然、京セラコミュニケーションシステム(KCCS) の子会社になった。それに伴い、KCCSから派遣されたのが河之口 達也氏だ。カリスマ性のある創業者の強力なリーダーシップの下で急成長したMOTEXを、どう進化させていくのか。河之口氏の肝いりでスタートするビッグプロジェクト「米国進出」が、創業25周年という節目の年に、いよいよ動き出す。

「リードされる」から「リードする」へ社員の意識を変える

-強力なリーダーシップを発揮した創業者がつくったMOTEXと、河之口社長がキャリアを積んできた京セラグループでは、企業文化が大きく異なるはず。最初はその違いに戸惑ったのではありませんか。
MOTEXの第一印象は、社員が厳しく育てられてきたんだな、ということ。みんな、鍛えられてきている。製品に対する愛情が深くて仕事に対して真剣です。スタッフの平均年齢は約30歳と若いんですが、優秀な人材が揃っている。その意味で、これまでMOTEXを成長させ、支えてきた先輩方にとても感謝しています。

-違和感なく経営に参画することができた、と?
創業者のリーダーシップの下で成長してきた会社だけに、社員がリードされることに慣れている感じはあったかな、と。私はこの2年ちょっとの間に、リードされるのではなく、リードするスタイルをみんなに身につけてほしいと思って、京セラの精神も含めていろいろと教えているところです。創業者の下で育ってきた優秀な社員には、どんどんMOTEXの経営に参画してきてほしい。こんなことを言うと、親会社のKCCSから何か苦情がくるかもしれませんが、次の社長にはMOTEXのプロパー社員に就いてほしいと思っています。

-正直にいえば、KCCSの傘下に入ったことによる変化・進化が、外からみているとMOTEXに感じられないな、と思っていたんです。河之ロさんが社長に就任されてからおよそ2年半、この期間を振り返ってみれば、KCCSの子会社になったことがMOTEXにどんなメリットをもたらしたのでしょう。
開発を中心に、人的な支援を受けたことが大きいですね。

-販売面では?
MOTEXには、KCCSの子会社になる前から、親密で強力な関係を築いているパートナーがたくさんいます。ですから、KCCSの子会社になったことで、変えたことはありません。変化が必ずしも必要とは考えていません。おかげさまで、私が社長に就任した後も、業績は前年度を上回っています。「LanScope Cat」のお客様の保守契約の更新率は11年連続で90%以上を維持していて、昨年度は92.0%。LanScope Catの価値を伝え切れていない部分があって、それは課題として重く受けとめ、Lanscope Catのよさをわかりやすく説明する活動をしっかりとやらなければなりませんが、順調に進んでいます。

5年以内に日本と同等数のユーザー獲得を米国で実現する

-河之口社長がこの2年半ほどの間に、とくに力を入れて取り組んできたことは何ですか。
主力製品のLanScope Catの大幅リニューアルや、モバイルデバイスのマネジメントツール「LanScope An」の最新版リリースなどいろいろあります。とくに昨年リリースしたLanScope Catのバージョン8では、GUI(グラフィック・ユーザー・インターフェース)を全面的に見直して、ユーザーがLanScope Catのたくさんの機能を操作しやすいように改良しました。こうした機能拡張がまず一つ。そして、もう一つは海外市場に打って出るための準備です。

-米国進出ですね。
そう。この1年ほどの間のことですが、昨年4月に「海外事業企画部」という組織をつくってから、マーケット調査と海外戦略を練り、シリコンバレーに拠点を構える準備を進めてきました。今年の5月から7月の間に、現地法人を設置する予定です。

-ほかの日系IT企業は、アジアをターゲットにする傾向があります。過去、日本のソフトメーカーが米国にチャレンジしたことはありましたが、撤退したケースも少なくありません。決して簡単ではないと思いますが、初の海外進出先として、なぜ米国を選んだのですか。
主に二つの理由があります。一つは、マーケットの広さとビジネスポテンシャルの高さ。日本は、「個人情報保護法」施行などの影響で、情報漏えい対策やログ収集の取り組みが米国よりも進んでいて、今後、米国でも日本と同様のニーズが出てくるとみています。IT産業では、米国で流行ったものが、数年後に日本で売れるのが一般的ですが、情報漏えい対策やログ収集はその逆。日本で売れたものが、これから米国できっと伸びます。
もう一つは、最先端技術を積極的に採り入れて、スピードが速い米国で“揉まれたい”ということ。IT産業の中心である米国に身を置くことで、先進的な商品をつくることができるともみています。そうなれば、日本のお客様にも新たな価値を提供できるでしょう。

-海外市場の攻略方法を教えてください。
京セラグループにいた約10年前、シンガポールに常駐して海外事業を立ち上げた経験があるので、海外ビジネスが簡単ではないことは、百も承知です。苦い経験もたくさんしてきました。過去の経験でいうと、たとえ日本で売れたからといって、それをローカライズしただけでそのまま海外へもっていってもうまくいかないというのが私の持論。各国の事情に合わせて、商品をつくらないと絶対にダメです。なので、LanScope Catの機能のなかで米国でも受け入れられそうな機能を選択して改良し、クラウド技術を活用した新しいサービスを提供します。今、その開発を進めている最中です。

-ターゲットや体制は?
ターゲットは、中堅・中小クラスの企業。米国には当社が販売しようとしているサービスに似たものはあるのですが、大手企業を対象としているものが多い。情報漏えい対策やログ収集といったものに関する機能を、オール・イン・ワンにし、リーズナブルな価格で提供しようと思っていて、拠点設立と同時にリリースします。体制は、責任者は日本から派遣するつもりですが、実行部隊は、可能な限り現地の人で組織したい。少なくとも、営業とマーケテイング担当者は、米国のIT市場をよく知っている米国人を採用するつもりです。

将来は中国、東南アジアも攻める

-米国以外の地域でのビジネス展開は考えていますか。
英語に対応しますので、米国以外の英語圏には段階的に進出するでしよう。それと、アジア。日系企業のアジア進出は活発なので、やはり無視はできません。意識しているのは、中国とシンガポール。拠点がなければ、輸出入にかかる手間をお客様やパートナーにかけてしまうことになりますので、時期は未定ですが、現地法人の設立を予定しています。ただ、まずは米国をどう立ち上げるか、が先決です。

-海外事業は、将来的にどの程度の規模にしますか。
まずは、3~5年後に日本と同じ数のユーザーを獲得したいですね。将来的には、海外事業全体で全売上高のうち、約30%を占めるまでに成長させるつもりです。

-その頃のMOTEXの年商は、どの程度のイメージですか。
60億〜70億円でしよう。

-かなり挑戦的な数字ですね。
創業者が築いてきた価値の高い会社を、持続的に成長させるためには海外市場へのチャレンジは、必須です。リスクはあるしお金もかかる。だけど、びびって何もやらなければじり貧になるのは目に見えています。MOTEXの歴史に、海外事業という新しい1ページを加える時です。だから、私は今を「第二創業改革」の時期にあると強く思っています。


【眼光紙背】
私は、およそ15年にわたって、MOTEXを取材してきた。最初は、大阪のやんちやな独立系ソフトベンチャーという印象だったが、その面影はすでにない。この間に、日本を代表する大手ソフトメーカーへと、みるみるうちに変貌していった。
約20年間、トップを務めた創業者の高木 哲男さんは、独特の情報セキュリティ業界のカリスマだった。だからこそ、高木さんの退任とKCCSによる買収で会社は激震に襲われるだろうと想像していたが、現実は違って、ベ
ネッセコーポレーションの情報漏えい事件の影響でビジネス環境は追い風を受けているとはいえ、足下の業績は好調。大量の退職者が出るようなことはなく、むし考えと雰囲気をもった経営者で、「離職した社員が戻ってきたケースもある」そうだ。
河之ロさんは、社長就任から 約2年を経た直後から「第二創業改革」という言葉を使い始めた。社長就任直後から心に秘めていた言葉のようだが、(この言葉を発信するのに)「2年かかった」という。創業25周年という節目を迎えるMOTEXは、これまで以上におもしろい企業になるに違いない。(釣)

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