デジタル誘拐の危険…!?子供の写真をSNSに載せる前に絶対に気をつけること
子供の写真ってかわいいですよね!
Facebook や Twitter などに子供の写真を載せている方も多くなってきました。かわいく撮れた我が子の写真を多くの人に見せたいと、SNS やブログに載せたくなる気持ちもよくわかります。
でも、ちょっと待ってください!
安易に子供の写真をSNSに載せて、本当に大丈夫でしょうか? 最近はインターネット上の写真を無断で使用する人が増えていますし、インターネットに写真を載せるとあっという間に拡散してしまいます。あなたの子供の写真も知らないところで拡散してしまうかもしれません。
子供のプライバシーを守るのは親の役目です。我が子が安心して生活できるよう、親として責任を持って適切に対応していきたいものです。
ただ、それでもやっぱり子供の写真をSNSにアップしたい! 子供の成長を記録したい! という人も多いでしょう。そこで今回は、子供の写真をSNSに載せることのリスクと、せめてこれだけは気をつけたい、リスク軽減のためのTipsをご紹介します。
SNSに写真を載せることのリスク
SNSは友人や家族など複数の人たちに、簡単に情報を共有することができるとても便利なツールです。しかし便利な反面、さまざまなリスクが存在します。
インターネットはあっという間に拡散する
総務省の『情報通信白書』によると、日本のインターネットの利用者数は1億人を超えており、特に10〜20代の若者はインターネットの利用時間のうちの半分以上をSNSの利用が占めているとのこと。
これだけSNSが普及すると、情報が拡散する時間もあっという間です。SNSに載せた写真や文章などは、自分が知らないうちにあっという間に世界中に広まる可能性があります。一度情報が拡散してしまうと、インターネット上から削除することはほぼ不可能と言われています。
また、最近海外では「デジタル誘拐(digital kidnapping)」という行為も起きているようです。
▶︎ 「デジタル誘拐」とは?
インターネットからダウンロードした他人の子供の写真を「自分の子供」としてSNSに投稿するというものです。
最近ですと、米国に住むダニカ・パターソンさんの娘さんが、見ず知らずの男性のFacebookに「僕の娘」として投稿されていたという事例がありました。
母親はその男性と面識がなかったそうですが、彼は写真とともに「僕の娘を見たら、君たちの息子はきっとときめくよ」「僕の女の子バージョン」「これは朝の姿。写真撮るのはもうやめてって言われちゃった」などと、あたかも自分が父親であるかのようなコメントをしていたそうです。
今後、日本でもこうした事件が起こる可能性はゼロとは言えません。
(参考:Man Accused of ‘Digitally Kidnapping’ 4-Year-Old on Facebook)
写真から位置情報が特定されてしまう
画像の背景などから場所を特定される可能性もありますが、それよりも怖いのが、画像に付与されるExif情報から撮影した日時や場所を特定されるリスクです。
スマホやデジカメで撮影した画像には、「Exif」という情報が付与されます。このExifには撮影した日時や位置情報などが付与されていて、画像をインターネットにアップすると、不特定多数の人たちから撮影した日時や場所を特定されてしまう可能性があります。
もし、普段よく行く公園で撮影した子供の写真をアップしていたら、何時にどこでよく遊んでいるのかを特定されてしまい、トラブルや誘拐などの犯罪に巻き込まれるかもしれません。
子供の写真をSNSに載せる前に、これだけは気をつけよう
ここからは子供の写真をSNSに載せる前に注意したい点をまとめましたので、参考にしてみてください。
1. ExifにGPS情報を付与しない
スマホやデジカメで撮影した画像に付与されるExif情報には、以下のような情報が含まれています。
- 撮影日時
- 撮影機器のメーカー名(製造・販売元)
- 撮影機器のモデル名(カメラ付き携帯電話・スマートフォンの機種名など)
- 画像全体の解像度
- 水平・垂直方向の単位あたり解像度
- 撮影方向
- シャッタースピード
- 絞り(F値)
- ISO感度
- 測光モード
- フラッシュの有無
- 露光補正ステップ値
- 焦点距離
- 色空間(カラースペース)
- GPS情報 – GPS付きカメラの場合、緯度・経度・標高など
- サムネイル
特にGPS情報は、そのまま位置情報の特定に使われてしまう可能性がありますので、Exifに付与されないように注意しましょう。
Exif情報の削除方法や注意点については、以下の記事を参考にしてみてください。
▷ ネットの写真から居場所が特定される!? スマホで写真を撮る時は Exif 情報に要注意! | NO MORE 情報漏えい
2. 場所が特定できるものを写らないようにする
できれば撮影する背景にも気をつけたいところです。
特に、背景から場所が特定できてしまうような場所。自宅周辺や学校、公園などが背景に写り込んでしまうと、場所を特定されてしまうリスクが上がりますので注意しましょう。
3. 画像に名前を載せない
画像と一緒に名前を載せないこともリスク軽減の方法です。
画像に子供の名前を載せてしまうと、個人を特定できる可能性があります。個人名はもちろん、ニックネームを載せるのも避けて、イニシャル等個人名が特定できない方法で記載するようにしましょう。
4. 顔や目を隠す
芸能人が子供の写真をブログにアップするときに、子供の顔にモザイクをかけてアップしているのを目にしたことがありませんか? 芸能人ではなくても、個人を特定できないよう顔にモザイクをかけることを検討してみましょう。
5. 写り込んでいる他の人に配慮する
自分の子供だけに目がいきがちですが、周囲に写り込んだ他人への配慮も忘れてはいけません。他の子供が写り込んだ画像を無断でアップしてしまい、思わぬところでトラブルになるケースもあります。
これぐらいわからないだろう…と思わずに、事前に許可をとる、個人が特定できないように加工する、といった配慮をしましょう。
アプリを駆使して子供を守ろう!
今、個人を特定できないようにするモザイク加工アプリはたくさんリリースされています。いくつか試してみたところ非常に使いやすいものがあったので、ご紹介したいと思います。
モザイクぼかし&モザイク加工アプリ(無料)
ぼかしの種類や強さ、太さを選んで、モザイクを入れることができます。操作がシンプルなので簡単にモザイクをかけることができます。
モザイクをかけてアップするのが不自然でイヤだという方は、スタンプなどでかわいく加工する方法もあります。
XTRAPOP
こちらは、海外らしいポップなスタンプがたくさんあります。目だけを隠すようなサングラススタンプなど、多彩なスタンプが用意されています。
Animal Face
リアルな動物の顔をスタンプに使えるアプリです。ライオンやトラ、パンダなどのスタンプで子供の顔を隠すことができます。
移動や拡大縮小、角度調整はもちろん、スタンプのコントラストや明るさも調整できます。スタンプを活用すれば、モザイクやぼかしよりもかわいく顔を隠すことができるかもしれません。
▷ App Store:Animal Face – IG Photo Editor Booth
さいごに
かわいい子供の写真が撮れたときはすぐにSNSなどにアップしたくなりますが、その場の勢いで載せるのではなく、個人情報が特定されないようチェックしてからアップするようにしましょう。
「子供のプライバシーを守るのは親の務め」という意識を忘れずに、正しい知識でインターネットを利用したいですね!