1. マイナンバーの取り扱いに関するトラブルが増加中!紛失したマイナンバーのリスクと対応方法

ケーススタディ【vol.29】

2016.06.30

マイナンバーの取り扱いに関するトラブルが増加中!紛失したマイナンバーのリスクと対応方法

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2015年10月から配布がスタートし、2016年1月より利用を開始したマイナンバー制度。

勤めている会社に本人とその扶養家族のマイナンバーを提示した方、証券取引など資産運用で銀行からマイナンバーの提示を求められた方など、早くもすでに利用されている方は多いと思います。

おさらいですが、マイナンバー制度とは、公正・公平な社会を実現するための社会基盤として導入された制度。現在は「税」・「社会保障」・「災害」の3つの分野でしか利用はできません。

うかつに目的用途以外で他人に教えたり、情報漏えいすることで、生涯に渡ってあなたが詐欺やストーカーに狙われる危険性を高めてしまうことになるのです。

あなたがマイナンバー絡みのトラブルに巻き込まれないために、改めてマイナンバーを取り扱う際の注意点をご紹介します。

 

【絶対NG】マイナンバーを自らネットにさらす人たち

驚くべきことに、マイナンバーの通知カードが届きはじめた2015年暮れ、自分のマイナンバーをブログやTwitterで公開する人が続出しました。

マイナンバーに反対する人たちによる、混乱を狙った行動だと見受けられましたが、行政機関「特定個人情報保護委員会」が、これらの行動に対して注意喚起をおこなっています。

インターネット等に自らのマイナンバー(個人番号)を公表する行為は、他人がそのマイナンバー(個人番号)を見ることができる状態に置いていると考えられることから、
「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年法律第27号。以下「番号法」といいます。)第19条の提供制限に違反する可能性があります。

「 インターネット等におけるマイナンバー(個人番号)の公表に対する注意喚起」より

自分のマイナンバーを公開することも、同時にそれを収集することも、違法行為として処罰されることがあることを頭に入れておきましょう。

 

【注意】マイナンバー流出で被害をこうむっても政府の補填はない!

なぜマイナンバーの漏えいは危険だと騒がれるのか?

もちろん、マイナンバー制度の運用が始まるタイミングというのもありますが、それだけではありません。マイナンバーは業種を越えて共通し、しかも一生涯変わらない番号のため、その他の番号と比べて非常に利用価値の高い番号になるからです。

誰にとって利用価値が高いのかというと、その番号を悪用しようとする悪徳名簿屋、詐欺師、ストーカーたち。

今はまだ運用がはじまったばかりなので、マイナンバーが漏えいしても、それほど大きな被害には発展しないでしょう。しかし将来的には、マイナンバーがさまざまな場面で利用され、マイナンバーに付随する情報を寄せ集めてゆくことで、あなたの人物像がくっきりと浮かび上がる恐れがあるのです。

余談になりますが、クレジットカードは不正利用されそうになると、クレジット会社から本人確認の電話が来ることがあります。また身に覚えのない請求が来た場合、クレジット会社のコールセンターへ連絡し、それが第三者の不正使用と認められた場合は請求が取り消されます。

しかしマイナンバーが悪用され、あなたが不利益を被ったとしても、不正利用した者・漏えいさせた者は処罰されますが、あなたの被害を政府が補填してくれることはないのです。

参考: クレジットカードの基本 – 不正利用の補償

 

業者を装ってカードを搾取!マイナンバーにまつわるトラブルが続出!

マイナンバーに絡んだ犯罪は、制度がスタートする前から数多く発生しています。

「マイナンバーの登録費用を支払ってください」とお金を騙し取ったり、「マイナンバーをいただきにきました」と業者を装ってカードを搾取したり、といった犯罪事件が起きました。

国民生活センターには、国民から寄せられたさまざまな被害事例が掲載されています。「マイナンバー導入に伴って、あなたの資産や加入保険を教えてください」と聞かれたり、「早くマイナンバーの手続きをしないと刑事事件になるかもしれない」と脅されたりするトラブルが発生しています。

女性のもとに国の機関を名乗る人物から「マイナンバーが始まるので調べている」と電話があった。女性が番号を伝えると、弁護士を名乗る人物から「名義貸ししたことになる。後から返すので500万円送ってほしい」と言われ、自宅を訪れた人物に現金を手渡ししたり郵送したりした。

日本経済新聞「マイナンバー詐欺で数千万円被害 東海地方の80代女性」より

このような罠は、電話や訪問だけでなく、インターネット上にも仕掛けられています。今後、あなたのマイナンバーを狙う手口はどんどん巧妙になってゆくのは間違い無いでしょう。

これは大丈夫なんだろうか? と不安を感じた場合は、マイナンバー総合ダイヤルへお問い合わせください。

【マイナンバー総合ダイヤル】
0120-95-0178(無料)
平日: 9:30~22:00
土日祝: 9:30~17:30
総務省:http://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/99263.html

 

紛失したらどうすればいい?一時利用停止から再発行までの手順

マイナンバーは、一生涯変わりません。

しかし、「マイナンバーを怪しい業者に教えてしまった」、「マイナンバーカードが入った財布を落としてしまった」などの場合は、マイナンバーを変更することができます。ただし、いつでも自由に変更できるという訳ではなく、マイナンバーを不正に使われてしまう可能性があると認められた場合のみとなります。

紛失してしまった場合は下記の手順に沿って対応をおこないましょう。

1.J-LIS(地方公共団体情報システム機構)に電話し、一時停止を依頼
2. 警察署もしくは交番へ遺失届。受理番号を控える
3.お住いの市町村役場へ再交付依頼

【J-LIS 個人番号カードコールセンター】
0570-783-578(*IP電話等で繋がらない場合は、050-3818-1250におかけください)
平日:8:30~22:00
土日祝:9:30~17:30(年末年始除く)
https://www.j-lis.go.jp/

 

自分のマイナンバーは自分で守る

まだまだはじまったばかりのマイナンバー制度。

自分にはそんなに関係がないと思っていても、マイナンバーにさまざまな情報が紐づくことで、あなたの個人情報が悪用される可能性をもっています。

制度がはじまってしまった以上は無視することはできません。マイナンバーは他人ごとではなく、自分ごとなのです。

 

k_kitano北野 啓太郎(きたの・けいたろう) フリーライター
1980年代のパソコン黎明期よりコンピュータを愛し、90年代後半のインターネット普及とともにその想いは加速。音楽業界でウェブマガジン編集長を経歴し、現在フリーランスとしてライター、映像編集など多業界で活動中。コンピュータのウィルス感染に加え、実生活では空き巣にやられた経験も持つ。NO SECURITY, NO LIFE.
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