1. 【実録】街中で見られる情報漏えいの実態【飲み屋編】

ケーススタディ【vol.17】

2015.12.08

【実録】街中で見られる情報漏えいの実態【飲み屋編】

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お酒を美味しく飲むつもりが、お酒に飲まれてしまった……という苦い思い出も多い年末年始シーズン。

居酒屋やバーにいると、酒の力による判断力の低下や、盛り上がるにつれ大きくなる声により、うっかり情報漏えいをしてしまっている人を目にすることも増えてきます。

今回は、いわゆる “酒の席” で私が実際に見聞きした「酒の勢いでやってしまった情報漏えい」をケース別にご紹介します。

 

 

社員証を下げたまま宴に突入する

ご自身が所属されている組織に誇りを持つのは大変結構なことですが、「◯◯株式会社」などと書かれた社員証を首から下げたまま、飲酒をしている方々が、時折います。

私が見かけたケースでは、顔写真付きの社員証をぶら下げていたため、胸のあたりには素面の顔、その上には酔っ払った赤ら顔のコントラスト……と、非常に印象的でした。ちなみに、その御一行様は4人組だったのですが、とりあえずビールで乾杯した後は、全員がスマホを見つめ、何もしゃべらずにソーシャルゲームに熱中していました。果たして彼らは社会の波に立ち向かっていけるのか……コミュニケーション能力が心配です。

酔っ払って粗相はもちろん、何気ない行動さえも評判を落とすきっかけになりうる社員証。飲み屋で肩書は必要ありません。自分を証明できるものは、そっとバッグにしまっておきましょう。

 

 

会社名が書かれた看板

幹事になった方は、常業務の範囲外での店の選定、予約など準備に追われ、さぞ大変な思いをしているかもしれません。しかし、いくら場所をわかりやすくしようと思っても、飲み屋の外の看板にデカデカと「株式会社◯◯御一行様」などと表記されてしまう事態は避けた方がよいでしょう。

通りすがりの人からみれば「ああ、今あそこで◯◯の奴らが飲んでるんだな」と一目瞭然です。もし、それが安い大衆居酒屋ならば「1年の総決算にこのような安酒場でしか飲めないなんて……もしかしたら経営危機なのだろうか」と疑いをかけられてしまうことも。

また、お酒が入るとつい羽目を外したくなるものです。私も過去に、居酒屋にて大声で騒いだり、裸踊りをしたりする輩を目撃したことがあります。関係のない人から見れば「ああ、年末だねぇ」で済みますが、競合他社や取引先に見られたら、「◯◯さんのところ……長くないな」と思われてしまっても無理はありません。予約をする際は、看板に会社名を表記するお店なのかを事前に確認したほうがよいでしょう。

 

 

名乗りながら一気飲みをする

「当店では一気飲みなどの行為はおやめください」と注意書きがされているのにも関わらず、それをまるで “フリ” であるかのように一気飲みをし、案の定意識もうろうとしてぶっ倒れ、担架で運ばれる方は後を断ちません。

私が目撃した一気飲みの中で、「これは情報漏えいしているな」と一番感じたケースは、氏名・会社名・所属部署・何年卒という個人情報を店内に響き渡る大声で叫んだ後、ピッチャーに入れられた焼酎を一気飲みするというスタイルです。

1000歩譲ってそれが会社の恒例行事だとしましょう。しかし、もしその店に就職活動を控えた大学生や、悪意のある競合他社がいたら、「◯◯コーポレーション一気飲みなう」と、SNSなどで全世界に公表されてしまいます。

ブラック企業叩きが後を立たない昨今、一度火が点いたことで、獲得できるはずだった優秀な人材や、取引先を失う結果になってしまうかもしれません。

 

 

声がデカい人ほど悪口を言う

悪く言えば「声がデカい」、よく言えば「声がよくお通りになる方」は、お酒が入れば入るほど、その音量は増大し、脳は萎縮していきます。ちょっと街まで飲みに出かけてみれば、そこかしこで、声のデカいおっさんが「◯◯(会社名)、この前しくじってウン千万やっちゃったってよ」などと言っています。

悪気がなく言っているかもしれませんが、壁に耳あり、障子に目ありと昔から言います。隣のお客さんがその会社の人かもしれませんし、バーの場合はその店の顧客であるかもしれません。

自分の会社の情報漏えいをするならば、まだ責任の取りようがあります。しかし、他者様の内部情報や悪口を、尾ひれに背びれ、ついでに羽根まではやして大きな声で、熱い風評を振りまくのは自制するべきです。が、酔っぱらいはそもそも自制できないので、周りが止めてあげましょう。

 

 

飲み直しながら社内ゴシップを延々と話す

飲み会シーズンになると、皆で飲んだあとに、2人っきりで飲み直す “ワケありカップル” がバーに多く出没します。そんなカップルのほとんどが、会社では秘密の関係、つまり “不倫” だったり、“友達以上恋人未満” だったりします。 会話の内容も、会社の飲み会が終わった開放感からか、非常にオープンで、社内のゴシップを延々と話しています。

バーは、プライベートな空間ではなく、非常にパブリックな空間です。しかし、照明の暗さや漂う音楽、お酒の心地よさに、つい「自分たちだけしかいない」と錯覚してしまうカップルが多いのかもしれません。

あなたのこぼれ話は、実はバーテンダーも聞いていますし、少し離れた席に座っている人にも、しっかり聞こえていることを心にとどめておきましょう。

 

 

個人情報のかたまり「スマホ」を紛失する

「酔っ払って記憶をなくし、朝起きたらスマホがなかった」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。

忘年会シーズンの情報漏えいに要注意!一年の苦労は忘れてもスマホは忘れるな!
「スマートデバイスの紛失実態調査」

会社専用のスマホを紛失すれば、会社の情報が漏れ、信用を失ってしまう恐れもあります。自分のスマホはもちろん、個人情報や企業情報の宝庫であるスマホの扱いにはくれぐれも注意が必要です。

「失くさないぞ、絶対失くさないぞ!」と心に念じていればいるほど、なぜか人はスマホを紛失してしまいます。私はそれで失くしました。

実際、私の知り合いが過去に東京都世田谷区でスマホを紛失し、GPSで探したところ、翌日には神奈川県横浜市にあることが発覚しました。「スマホは一人で歩けない」と単身スマホ奪還に向かい、無事犯人を突き止めたものの、モメにモメて警察沙汰になってしまったそうです。

このようなトラブルに遭わないためにも、飲み会に臨む際にはスマホを鞄の奥にしっかりしまっておくことをオススメしますが、万が一に備えた事前の対策もうっておきましょう。まず、情報が流失しないためにパスコードの設定は必須です。もちろん、推測されやすいものはNG。また、紛失したスマホを追跡してくれるアプリのダウンロードや、タクシーなどでは領収書をもらうなど、紛失した場合に少しでも手がかりをつかめるような予防線を張っておくのがベストです。

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仕事の話はそこそこに、酒量もほどほどに

身に覚えがある方もいらっしゃったのではないでしょうか。日頃の不平不満をこぼしたい気持ちもわかりますが、飲み会の席では仕事の話はそこそこに、酒量もほどほどにした方がいいかもしれません。楽しい会話に終始すれば、お酒の席もその翌日も、よりよいものになるはずです。

くだを巻く上司が居たら、「情報漏えい!」とか言いながら頭をひっぱたいて黙らせましょう。心配することはありません。日本には無礼講という素晴らしいシステムがあります。

終わり良ければすべてよし。愚痴と酒はこぼさずに、楽しくお酒を飲んで1年を締めくくりたいですね。

 

k_ikeda加藤 広大(かとう・こうだい)フリーグラフィックデザイナー/ライター
都内在住のグラフィックデザイナー、ライター。30代を迎え、個人情報よりある意味いろんなものの漏えいを防ぐのに必死な今日この頃。
主に映画・音楽からオカルト、SF、酒、苔、不動産投資コラムまで、幅広く、そして若干胡散臭く、日々文章とデザインをお届けしています。
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