1. 【実録】恐ろしすぎる!とあるネット炎上案件で、個人情報が特定されるまでの流れ

ケーススタディ【vol.30】

2016.07.14

【実録】恐ろしすぎる!とあるネット炎上案件で、個人情報が特定されるまでの流れ

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ベッキーの不倫騒動から舛添都知事の税金不正使用問題、五輪招致をめぐる裏金疑惑まで、インターネット上では毎日どこかで何かしらの炎上がおきていますが、その火の手、火元は一般人にも無縁ではありません。

例を挙げればキリがありませんが、とある飲食店のアルバイトが店の商品を使い悪ふざけをしたり、学生が飲食店で醤油差しを鼻に突っ込んだ写真をTwitterに投稿した結果、「こんな馬鹿な奴がいる」と拡散されてしまったといったニュースも記憶に新しいところではないでしょうか。

そして、故意にせよ過失にせよ、派手に燃え上がってしまった場合、強い憤りを抱いた人やおもしろ半分の人によって本名や住所が特定され、関係各所に「お前のところの◯◯はこんなことをしている」とリークされてしまいます。

もし自分の個人情報が特定され拡散されたら……。そう考えると本当に恐ろしいですが、実は、筆者の知人に大炎上を経験した方がいます。今回は、その顛末をもとにネット炎上において実際に個人が特定されるまでの流れをたどりつつ、そこから得た教訓や注意点を共有させていただければと思います。

※以下で紹介する炎上案件自体は犯罪行為ではなく、あくまでちょっとしたマナー違反でしたが、具体的な案件名、名前、名称などは知人のプライバシーを配慮し伏せさせていただきます。ご了承ください。

ことのはじまりは一件のTwitterから

知人を仮にNとしましょう。

ことのはじまりは、あるTwitterユーザーによって写真付きで投稿された「◯◯の場所でマナー違反した輩がいます」といった感じの一文でした。Nはそのとき友人たちと車である場所に来ていたのですが、たったこれだけの内容でも、すでに場所と時間、Nとその友人たちが乗る車の車種までが特定されています。

この投稿の内容を「非常識」「目に余る」と感じた人たちにより、まずはじわりとリツイートされ拡散がはじまりました。

この時、悪気のなかったNはマナー違反行為をFacebook上で公開していましたが、こちらの投稿は拡散されていません。おそらく、公開範囲の設定を「友人のみ」に限定していたため事なきを得たのでしょう。最後までFacebook関連からの漏れはありませんでした。

 

各ネットメディアがまとめはじめる

すると、そこから、ネットの話題に敏感なメディアが早速経緯や情報をまとめはじめます。

この頃はまだネット上の声や意見、賛否(ほぼすべて否でしたが)を、「今ネット上ではこんな話題が旬ですよ」といった具合にTwitterの投稿を引用しつつまとめた簡単な記事でした。

また、第一報の写真などと合わせて、他のユーザーからの投稿も含めた特定材料が増えていますが、このあたりではいまだ特定、または特定が開始されるまでには至っていません。あくまで単純に「ひどいなあ」とさらしあげる感じでしょうか。

そして、複数のメディアが引用しあうことにより、ネタは更なる拡散を引き起こし始めます。

 

某巨大掲示板にスレッドが立つ

次に、ネットメディアがまとめた記事をソースとして、某巨大掲示板にスレッドが立つこととなります。ここからが炎上の本当の恐ろしいところです。

スレッドは結果的に相当数伸びました。最初の反応は、かなりオブラートに包んで表記すると「こいつらひどい奴らだなあ」といった内容でした。しかし、すぐに憶測からのレッテル張りがはじまり、差別用語も飛び交う事実無根のガセネタがスレッドを覆いました。

 

Instagramから個人情報が特定されはじめる

しかし、ある出来事をきっかけに潮目は一気に変わることとなります。

その出来事とは、Instagramアカウントの特定でした。これはN本人のアカウントではなく、Nと一緒にマナー違反をした友人の1人からの流出です。

これは憶測ですが、おそらく非公開の設定にはしていなかったのでしょう。もし非公開だったとしても、InstagramはFacebookにくらべ不特定多数のフォロワーが多いと思われます。その友人のアカウントから連鎖的にNやほかのメンバーが紐付けされ、スクリーンショットで情報を取り、そのままアップされてしまったということも考えられます。

そして、新しく投稿されたそれらの情報からさらなる割り出しがおこなわれます。

 

知り合いが情報を投下し、個人が特定される

徐々に特定が進むなか、某巨大掲示板上では妙なことが起こりはじめます。「この人◯◯の◯◯だよね?」と、どう考えても当人の知り合いとしか思えない人物からの情報が投下されたのです。

そして、この実名を含む投稿は真実でした。ちなみにこの案件では、本名や出身地などの情報の特定はSNSからではほぼ不可能です。

最初、この短い一文はほぼ無視されていましたが、名前だけでなく、職業や出身地、居住地などが先ほどのInstagramからの情報を補強するかたちでその後も定期的に書き込まれます。

すると、徐々にN本人のパーソナルに近づいていき、ついに個人特定が完了してしまいました。最初のTwitterの投稿から、時間にして数時間ほどでしょうか。

今回の案件ですと、おそらくこの「(たぶん)知り合いからの情報提供」が一番個人特定に寄与していたと個人的には考えています。本当に恐ろしい敵はどうやら味方に存在したようです。

 

ネットメディアが再びまとめる

情報が出揃ったところでふたたびネットメディアがことの顛末と個人情報をまとめはじめ記事を作成、公開し、またもや拡散。

このニュースが大手メディアに転載されると、案件はもうひと炎上し、ブロガーや有識者が本案件についての考察をブログや連載枠で公開し、一種の反省会のようなものがおこなわれ、事態は一旦収束を迎えることとなります。

しかし、収束後も、下記のような弊害が続いてしまいます。

 

ネット上をいまだ漂う個人情報

今聞いても、もはや「ああ、あったねそういうの」程度の内容ですが、その案件やNの本名が記された記事、そして各種ログなどはいまだにネットの海を漂っています。

試しにいくつか単語を組み合わせて検索してみると、相当数が個人情報と共に観覧できる状態になっていました。

たとえば、仕事で名刺をもらい、「どんな人かな?」と名前を検索してみたら、その人の決して褒められない過去が大量にネット上に登場してしまうーー。

過去の失敗がネット上に残り続けるのは、きちんと反省している方にとっては、なかなか辛いものでしょう。

 

炎上を避けるためにはどうすればいい?

炎上における個人特定の流れとして知人の例をご紹介しました。教訓として身もふたもないことを言ってしまえば「SNSをやるな」の一言ですが、そう簡単な話でもありませんよね。

失敗から炎上してしまった場合ならまだしも、何も悪いことをしていないのに、ひょんな勘違いから炎上してしまうこともあるでしょう。

「みんながしっかりしたネットリテラシーと人を敬う心を持てばいい」とは、言うのは簡単ですが、あまり現実的とは言えません。言われのない悪意を向けられた時のために、写真の掲載の仕方や、SNSの運用方法などを今一度考えなおしてみる必要があるでしょう。

また、いざ炎上となった時におもしろ半分に巨大掲示板にたれこむような友人・知人がいないかも、一度洗い出してみると良いでしょう。繰り返しになりますが、最大の敵は身内にあるのかもしれません。

 

k_ikeda加藤 広大(かとう・こうだい)フリーグラフィックデザイナー/ライター
都内在住のグラフィックデザイナー、ライター。30代を迎え、個人情報よりある意味いろんなものの漏えいを防ぐのに必死な今日この頃。
主に映画・音楽からオカルト、SF、酒、苔、不動産投資コラムまで、幅広く、そして若干胡散臭く、日々文章とデザインをお届けしています。
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