1. プライバシー侵害で家庭崩壊!?タブレット端末を家族で共用する時に気をつけたいこと

ハウツー【vol.07】

2015.04.28

プライバシー侵害で家庭崩壊!?タブレット端末を家族で共用する時に気をつけたいこと

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iPad や Nexus 7 などのタブレット端末は子供やお年寄りにとっても扱いやすく、通信キャリアからも「一家に一台」というメッセージが発信されてきました。

タブレット端末を購入する際には、「ひとりで使う」よりも「家族で共用する」という用途を想定していた方々も多いのではないでしょうか。具体的には、以下のような利用シーンが思い浮かびます。

• お父さんが仕事に使う
• お母さんがレシピを確認
• 息子さんがゲームで遊ぶ
• 娘さんが通販に利用

しかし、ちょっと待ってください!

タブレット端末には様々な情報が格納されており、各種クラウドサービスとも接続されています。タブレット端末を共有することで家族といえどもプライバシーを侵害されたり、業務上のデータが漏えいするなどのトラブルの原因になりうることをご存知ですか?

過去には、女友達とで遊園地に行くと言っていた娘に iPad を貸した父親の、こんな掲示板への書き込みが話題になりした。

娘が女友達のグループで遊園地行くというので
待ち時間で遊びたいらしく、iPad貸してと言われた。
(中略)
朝早くから出かけた娘。
昼過ぎに起きた私は何気なくimacを立ち上げた。

次々に流れてくるフォトストリーム画像。
待ち合わせのツーショット~始まり。
男!?何!?
遊園地入口でべったり寄り添う画像。
(中略)
夕方、遊園地の出入り口。
帰りがけチューのツーショット。
(中略)
夕方~夜。待てども、娘は帰ってこない。
やきもきした私は、find iPhoneを使った。
見つけ出した位置は、渋谷道玄坂。
もう精神的に崩壊。
夜中に帰ってきた娘は至って普通。
しっかり画像も消して、iPadを返してくれた。

(引用:iPad Part 144)

これは父親としての辛さはもちろんですが、娘さんにとっても大変な個人情報の流出ですよね。

そこで今回は、タブレット端末を家族で共用する場合に気をつけたいポイントについて解説します。

 

他の家族が見られる情報について家庭内で共有する

家族といえども私的なやりとりが記録されたスマートフォンを貸すのはためらわれるのではないでしょうか。それはタブレット端末でも同じです。タブレット端末の中にはメール、位置情報、写真、ウェブサイトの閲覧履歴など、様々な情報が含まれており、スマートフォンとほとんど変わらない機能を持っています。

タブレット端末を家族で共用する前には、「他の家族からも見られてしまう情報」について話し合い、認識を共有しておきましょう。お互いが意識して自身のプライバシーを管理することで、家庭内での思わぬ情報流出トラブルを回避できるはずです。

 

マルチユーザー機能を利用する(Andoroid 4.2以降)

タブレット端末の中には、最大8人までのユーザーを作成して切り替えることができるものもあります。ユーザーを作成するとユーザーごとにホーム画面、アカウント、アプリ、設定などをカスタマイズできるようになります。パソコンの個人アカウントと同じような考え方ですね。

ただし、マルチユーザー機能を使えるのは Andoroid 4.2 以降かつキャリアによる制限がかかっていない端末のみです。家族で共用するタブレット端末を購入する際には、本機能が利用できるかを確認することをオススメします。なお、iPad にはマルチユーザー機能が提供されていないので注意しましょう。

 

自動的にクラウド連携する機能は切っておく

例えば、iCloud と連携したiPad で撮った写真は自動的にフォトストリームに保存され、Mac 上の iPhoto にも適宜表示されていきます。Dropbox の写真アップロード機能も同様です。

これらの機能は非常に便利なのですが、iPad で撮った写真が知らないうちに他の家族の Mac に表示されていたとしたら恐ろしいですね。タブレット端末を家族で共用する場合には、自動的にクラウド連携する機能をオフにしておきましょう。

 

電子書籍やオンラインビデオなどの購入履歴に気をつける

電子書籍やオンラインビデオなどのアプリケーションはタブレット端末上のデータを消しても、アプリケーション内にログイン情報が残っていれば購入履歴からデータを復元可能です。

アカウントを使いまわしたことによって、例えば自身が購入したアダルト商品の情報を他の家族に知られてしまうトラブルの原因にもなりますので、家族用アカウントを別途用意することが望ましいです。

ちなみに、Kindleでは「ファミリープラン」として、購入したすべての書籍を家族間で共有する機能が提供されているのですが、「共有したくない本は共有しない」という機能がないので気を付けるようにしましょう。

Family Libraryは、お互いに認可した相手のすべての蔵書を自由に読める。電子書籍だけでなく、映画やテレビ番組、ゲームも利用できる。
コンテンツを共有できる相手は1人で、認可するとそれぞれがAmazonでの決済のために登録しているクレジットカード情報も共有することになり、互いのカードで購入もできるようになる。 (参考:Amazon、「Voyage」などのKindleシリーズで家族での書籍共有が可能に

 

まとめ

いかがでしたか。家族といえども意図せぬプライバシーの侵害はトラブルの原因となりえます。

特に、親がお子さんのプライバシーをこっそりと盗み見ようなどとすれば、家族間の信頼関係が壊れてしまう危険性もあります。できる限りアカウントを分けるようにしましょう。それが難しい場合には上述したように、他の家族からも見える情報を互いに意識して、プライバシーを適切に管理することが大切です。

タブレット端末を家族で共用するのは経済的ですし、家族共通の話題にもなるので、メリットも大きいです。今回挙げたようなことに気をつけながら、ぜひ楽しく活用してみてください。

 

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k_ikeda池田 仮名(いけだ・かな)ITエンジニア/ブロガー
システムインテグレーター勤務の傍ら、個人ブログ「太陽がまぶしかったから」を運営。情報システムの発展によって変化していく人の心や共同体のありかたに興味。音声チャットを用いて題材書籍を掘り下げる「Skype読書会」を主宰。共著書に「レールの外ってこんな景色」(WOODY)。仕事も恋もFA宣言中。
Twitter:bulldra
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