情報セキュリティマン、酔っ払いを斬る!飲み会に行く前にやっておきたい情報漏えい対策
海外では警戒するのに、日本ではなぜ無防備なのか?
海外へ行く際、スリやひったくりに警戒する日本人は多い。貴重品は肌身離さず持っておいたり、バッグを施錠しておいたり。だが、日本にいるときは、なぜか警戒心が低くなりがちだ。
たとえば、飲食店で席取りのためにバッグを放置したり、電車の中で眠ってしまったり。
一体、なぜか!
日本は平和で安心だから? みんなそうだから?
それは単に、自分は大丈夫だと都合よく解釈しているからだろう。現に、日本でも窃盗事件は日々起きている。パソコンにウイルス対策ソフトを導入したり、怪しいサイトやSNSの投稿に騙されないように警戒したりするのと同じように、己にも防衛線を張っておくことは大切だ。
今回は、特に気が緩みやすい「飲み会」に注目し、その危険性と対策を伝える。飲みの席に参加する前に自己チェック、また飲み会の幹事になった方は参加者に注意を呼びかけるなど、ぜひご活用願いたい。
もし、あなたのセキュリティ意識があと少し高ければ、平穏な未来が待っていたかもしれないのに……。そうならない為にも!
あっ、こんなところに情報漏えいが!情報セキュリティマン参上!
<情報セキュリティマン・プロフィール>
MOTEX社員、セキュリティ系男子・大山晃輝(24歳)。
1993年鹿児島生まれ。幼少期より野球一筋で過ごし、京都の大学に進学後も野球に邁進する。2016年4月、MOTEXに入社。大阪本社勤務を経て、今年2017年4月より東京本部に配属。
野球時代の特技は「送りバント」。神経を研ぎ澄ませ、走者を進塁させることに掛けたスピリッツは同社MOTEXでも存分に発揮し、世間にはびこる「情報漏えい」に目を光らせ、甘すぎるセキュリティ意識の向上に努めている。
ポリシーは「皆さまに幸あれ」。正々堂々と情報漏えい対策に挑む!
情報セキュリティマン、酔っ払いの解放感が気になる
解放感!
情報セキュリティマン、今日はご機嫌ですね
解・放・感っ!
いや、ちょっと待ってください。楽しそうな言葉に、その険しい顔はやめてくださいよ。不気味ですから
解放感とは、解き放たれて自由を感じている状態。一般的にポジティブな意味で使われる言葉だが、我々の星では『もっとも危険な状態』を表す言葉なんだ
情報セキュリティマンは、宇宙人だったんですか?
君、酒は飲むのか?
ちょ……もしかしたら、情報セキュリティマン、すでに酔っ払っていません?
もうすぐ忘年会シーズンだからな。鹿児島の血が騒ぐぜ!ということで、今回のテーマは飲み会だーっ!
油断を狙う窃盗犯。スリよりも多い、置引き・仮睡者狙い!
酔っ払いの解放感が気になり始めると、俺の中の『NO MORE 情報漏えいアラート』が暴れ始め、色んな人に喝を入れたくなってしまうんだ
ほう。どんな人に喝を?
居酒屋などの店内でもっとも目立つのは、足元や座敷の片隅に無造作にバッグを置く人達だな
はい、ありがちですね
さらに、トイレに行くときなど、席を立つときにもバッグを残して行く者も多い。これでは、盗ってくれと言わんばかりではないか
(カタカタカタ……)実際、置引きの盗難は頻発しているようです。警視庁の発表によると、2016年の統計では置引きが1,887件認知されています。これはスリよりも多い発生件数ですね!
あと、宴が終わったあとも要注意だぞ。深夜の電車や路上で泥酔して寝ている者がいるが、あれは一体何なのだ?
忘年会など、特に宴会シーズンは風物詩ですね
寝ている者からの窃盗は簡単だから、さらに狙われやすいぞ
(カタカタカタ……)確かにそのようです。先の警視庁の統計では、置引きよりも仮睡者狙いの方が多く発生しています
それと、酔っ払いの千鳥足も危険だ
(カタカタカタ……)ひったくりが最も多く発生している時間帯は20〜22時で、次いで22〜24時となっています。まさに遅めの帰宅時間、飲んだ帰りが多そうですね
とにかく飲み席の解放感は、人の脆弱性を非常に高めてしまうということだ
でも、仕事上の飲みの席は避けられないし、一体どうすれば……
参考:警視庁の統計(平成28年)http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/jokyo_tokei/tokei/k_tokei28.html
盗られる前提で、飲み会へ挑め!
これから忘年会や新年会シーズンを迎え、お酒を飲む機会が増えますが、置き引きやスリなどを防ぐために、どう対策すれば良いのでしょうか?
肝心なのは、『盗られる前提で挑め』ということだ
えっ!
盗られて困るものは何もない状態にしておくんだ
具体的に言いますと?
まず、持ち物は必要最低限にしておくこと。ノートパソコンや社外秘の資料を飲みの場に持っていくのは言語道断だな
盗られて困るものは、会社に置いておくということですね
そうだ
ですが、営業先などで急な誘いを受けることもありますよね
その場合は、コインロッカーを活用すべし。駅周辺などにあるコインロッカーにバッグを預けてから、飲みの席へ向うと良いだろう
なるほど。確かに盗られて困る物がない状態にできますね
ただ、酔っ払うと、どうしても気が緩んでしまうから、安心できる状態にはなれないんだ
そうですね。お酒を飲みながら警戒し続けるのは、無理がありますよね
だから、最初に言ったように『盗られる前提』での対策が必要になる。具体的にはバッグにGPS機能がついた紛失防止タグを潜ませておいたり、パソコンやスマートフォンは、遠隔操作でロック(リモートロック)したり、データ消去(リモートワイプ)できるようにしておくと良いだろう。言うまでもないが、パスワードロックはいつでも必須だ
盗られた後、端末を回収したり、データを保護したりできる可能性が高まりますね
あと、盗られるだけでなく、紛失リスクにも対策しておこう
これは『NO MORE 情報漏えい』にも書いてありました!(*1) 10人に1人はスマートフォンの紛失を経験していると言うことでしたが、スマートフォンに限らずバッグや財布なども失くしがちですね
そうなんだ。だから、翌日自分の行動が思い出せない場合に備えて、スマートフォンやスマートウォッチにウォーキングアプリなどをインストールしておいて、自分の移動ログを残しておくのも良いだろう。はしご酒をした場合、自分の行動が思い出せなくなることもあるからな
*1. 忘年会・新年会は“スマ漏れ”のリスクが増加!?年末年始の情報漏えいに要注意!https://www.motex.co.jp/nomore/casestudy/914/
よし、準備はできたか? 一杯行くぞ!
えぇっ、まだ仕事中っすよ〜
[飲み会 セキュリティアップ術]
・荷物は最小限に
・急な誘いを受けたら、コインロッカーを活用
・GPS機能付き紛失防止タグをバッグに
・パソコンとスマートフォンに、遠隔データ消去の設定
・ウォーキングアプリで移動ログを残す
みんな見てくれ。すげーいい笑顔だろ!
まるでモデルみたいだと自分でも思うよ (*´Д`)キラリッ
これは何をしているかというと、実は俺、誕生日だったんだ!
これは、そのときのお祝い写真だぜ。ついに24歳。24歳を制する者はセキュリティを制する。あぁ、自分でも思うよ。セキュリティを制しちゃったなって。
本日、大山絶好調♪
みんなも絶好調にしてやるから、何か困ったらいつでも相談してくれよな!
(天の声)「情報セキュリティマンの大山さん、電話番号教えてくれませんか? LINEのIDか、メールアドレスでもいいんですけど……」
いやいや、俺を誰だと思っているんだよ。俺は情報セキュリティマンの大山だぞ。そう簡単に個人情報は教えないよ。俺に相談があるときは、空に向かって叫んでくれ。情報セキュリティマ〜ン! と。(嘘です)
次回は・・・
~情報セキュリティマン、故郷に帰る~