ガラケーからスマートフォンに買い換えた、皆のお父さん、お母さん。スマートフォンは安全に使えているだろうか?
情報セキュリティマンの両親もスマートフォンを使っているのだが、先日、親がSNSを始めたというので見てみたら、非常に危険な使い方をしているのを知った。情報セキュリティマンの生みの親ともあろう人が、危機管理を怠っていたのだ。
日本では、高齢者を狙った詐欺や窃盗などの犯罪が絶えない。実はその陰には、スマートフォンの使い方が原因になっていることもある。今回は「親のITリテラシー」に注目し、親を犯罪者から守るべく、スマートフォンの安全な使い方を伝える。情報セキュリティマンの親だけでなく、皆のご両親も守りたい。
もし、親のセキュリティ意識があと少し高ければ、平穏な未来が待っていたかもしれないのに。そうならない為にも……。
あっ、こんなところに情報漏えいが! 情報セキュリティマン参上!
<情報セキュリティマン・プロフィール>
MOTEX社員、セキュリティ系男子・大山晃輝(24歳)。
1993年鹿児島生まれ。幼少期より野球一筋で過ごし、京都の大学に進学後も野球に邁進する。2016年4月、MOTEXに入社。大阪本社勤務を経て、今年2017年4月より東京本部に配属。
野球時代の特技は「送りバント」。神経を研ぎ澄ませ、走者を進塁させることに掛けたスピリッツは同社MOTEXでも存分に発揮し、世間にはびこる「情報漏えい」に目を光らせ、甘すぎるセキュリティ意識の向上に努めている。
ポリシーは「皆さまに幸あれ」。正々堂々と情報漏えい対策に挑む!
情報セキュリティマン、実家の親のSNSが危なすぎて困惑する
鹿児島にいる実家の親がSNSを始めたんだけど、使い方がヤバくて、どこからアドバイスすべきか思案しているんだよね
スマートフォンを使っているんですね。何があったのですか?
まず、プロフィール欄に自宅の住所を番地までご丁寧に記入してあった。公開設定で
だろ? しかも、SNSは誰が見ているかわからないのに、プライベートな内容を投稿するんだ。『晃輝、年末年始はいつ帰省するんだ?』とか、『晃輝、帰省なう。久しぶりに息子と鍋をつつく』とか
それは、情報セキュリティマンの東京の自宅が、留守になる日を公開しているようなものですね
まぁ、泥棒であれば、こうした住居を狙うだろうな。俺の自宅の住所は一部の人にしか教えていないが、どこかで情報漏えいしている可能性が無いとは言い切れないからな
そうですね。自分は気をつけていても第三者経由で漏れることがありますからね
ということで今回のテーマは、年末年始の帰省時に親に伝えたいスマートフォンの情報漏えい対策をお届けしよう!
親のITリテラシーが低すぎる
両親のITリテラシーが気になり始めると、俺の中の『NO MORE 情報漏えいアラート』が暴れ始め、たまらくなってしまったんだ
来ましたね! 今回もより多くの人に役立つよう、情報セキュリティマンのご両親の事例だけでなく、一般的にありがちな具体例をガンガンあげて欲しいです
まずは、さっき言ったSNSでの個人情報の出し過ぎについてだが、プロフィールもそうだし、投稿内容もそうだし、加減がわからずに何でもアップしてしまっている人が結構いるんだ。投稿内容から留守がわかれば空き巣に狙われやすくなるし、息子や娘の名前がわかればオレオレ詐欺にも使われやすくなる
そもそもSNS自体が不慣れで、1対1のメールやチャットとの違いに戸惑うことも多い。だからわざわざ公開すべきではない、プライベートな行動までも公開してしまうんだ
親子関係、名前に加えて、行動パターンまで把握されると、ますます危険度は増しますね
あとスマートフォンにはGPSが内蔵されていて、位置情報がSNSの投稿に付加されるのも知っておいて欲しい
GPSは地図アプリだけで使われている、と思っている方もいそうですね
そうなんだ。気づかないまま位置情報を投稿していることもあるから、自宅の住所だってバレかねない
うーん、ただでさえ高齢者を狙う詐欺や窃盗が多い中、これでは標的にしてくれと言わんばかりですね
犯罪者もできるだけリスクを減らしたいから、SNSから情報を収集することも多いんだ
泥棒や詐欺師は、TwitterやFacebookを駆使しているという訳ですね。怖っ!
Line、Twitter、Facebook、Instagram……。安全な使い方は、子が親に教えよう!
これから年末年始の帰省シーズンを迎え、両親と会う機会が増えると思いますが、親のITリテラシーを高めるに、僕たちはどうような対策をすれば良いのでしょうか?
肝心なのは、『SNSは不特定多数へ向けた情報発信の場である』ということを知ってもらうことだ
プライベート空間ではない、と理解してもらう訳ですね
勘違いを正す
まず、個人情報の出し過ぎについては、勘違いをしている場合が多い
SNSのプロフィール欄には、真面目にすべての情報を書く必要は無い、と伝えよう。オンラインショップの会員登録のように、SNSのプロフィール欄もすべての個人情報を書かないといけないと思ってしまうことがあるんだ
なるほど。フォームがあるから、条件反射的に全部記入してしまうわけですね
また、若い世代は自分の情報を発信するためにSNSを活用している人が多いが、年配の方は、息子や娘、友人とつながるために始める人が多い。親しい知人としかつながっていないから、チャット感覚で何でも投稿してしまうんだ
『晃輝、年末年始はいつ帰省するんだ?』って、やつですね
SNSの基本は不特定多数への情報発信。『親父、それ他の誰かも見ているんだよ』と教えてあげよう。そして、プライベートなやりとりは、メッセージ機能を使うように誘導すると良いな
僕たちから親にメッセージを送信して、実際に使いながら自然と覚えてもらうようにするのが良さそうですね
公開範囲やフォロワーを制限
慣れないうちは、どこまでプライバシーを公開して良いのか、その加減が難しい。だから、最初のうちは公開範囲の制限を掛けておくと良いだろう
まず、TwitterとInstagramは、設定にある『公開範囲をフォロワーに限定』『非公開アカウント』の項目を、いわゆるカギ付きにしておくと良いだろう
投稿内容が第三者に見られなくなるだけでなく、勝手にフォローされなくなり、フォロワーも管理できるようになりますね
※(左)Twitter、(右)Instagram
次にFacebookは、プライバシーとショートカットからコンテンツを見ることができる人の設定ができる。ここで『友達』を選択すると良いだろう
※Facebook
SNSのプライバシーを強化すると、メリットとしては安心感が高まるが、世界中の人とつながれるという魅力がなくなるデメリットもある。この辺りは、どっちが良いか親と相談すると良いだろうな
位置情報をつけない
投稿時は、投稿内容だけでなく、位置情報にも気をつけたい
Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSは、投稿時に位置情報が付加できるようになっている。どこから投稿したのかを知らせることができるわけだ。旅行先などであれば良いが、自宅周辺で位置情報を付けて投稿すると、自宅の位置がバレる危険性があるから注意だ
先日、元SMAPの稲垣吾郎さんが位置情報をつけたままツイートしてしまい、ファンから心配される、なんて騒ぎもあったぞ
有名人の場合、現在地がバレると大変なことになりそうですね
特にTwitterでは『正確な位置情報を共有』がオンになっていると、GPS機能で今いる場所をズバリ伝えてしまうことになるので気をつけてくれ
※Twitterで、位置情報を付加して投稿しようとしている状態。これらの項目をチェックしよう
それから、知らない人とのつながり過ぎについても、アプリの設定で制御しておきたい
誰でも良いから、とにかく友達を増やしたい! なんて人以外は設定しておきたいですね
特に、いつの間にか人とつながってしまいやすいLINEは、設定内の『友だち』から『友だち自動追加』『友だちへの追加を許可』をオフにしておくと良いだろう
※LINE
最後に大切なアドバイスだか、年配の方には、やはり目の前で手順を教えてあげるのが効果的だ。今度の実家帰省の際は、君たちが親のスマートフォンの先生になってくれ!
親のスマートフォンを守るのは、子の役割。ほったらかしはダメですね
あと、ITに関わる注意喚起情報は次々と新しい話題が出てくるから、最新情報も親に伝えるようにしてくれよ
[親のスマートフォン セキュリティアップ術]
・プロフィール欄には、すべての住所を書かない。
・投稿内容は知らない誰かも見ているので、プライベートなことは書かない。
・公開範囲の設定を行う(カギ付き)。
・位置情報の共有をしない。
・知らない人とつながりすぎない。
情報セキュリティマン、故郷の鹿児島へ帰省する
唐突ですが、問題です。
情報セキュリティマンはどこにいるでしょう(笑)。
それにしても気持ちいいよな〜。今、天気が良くて、目の前には海が広がっているんだ。夏でも冬でも入れるこの砂風呂は、心も身体もぽっかぽっかに温めてくれるぜ!
おっと、俺は今、鹿児島に帰省しているんだ。
いい写真だろ~!
情報セキュリティマン、キマってるぜっ!
そして、夕飯は実家のお鍋。
どどーん!!
これがまた、たまらんボリューム。
実をいうと・・・
・・・
・・・
やっぱり秘密にしとくぜ!そう簡単に情報は漏えいさせないぜっ!キラッ
結論だけ言うと、これとってもうまい!!
出てくる料理はどれも絶品♪
あぁ最高の時間を堪能させてもらったぜ。
本当に・シ・ア・ワ・セ・だ。
おっと、このタイミングでみんなに一言言わせてくれ!
「~皆様に幸あれ~」
(大山の心の中 → 今のはカッコよく決まったぜ~)
鹿児島に行くときは、絶対俺にまず相談してくれよな!
アドバイスたっくさんしてやるぜ。
I LOVE KAGOSHIMA
I LOVE SECURITY
アディオス!
次回は・・・
情報セキュリティマンの過去?